ITパスポートの難易度と合格率を上げる勉強方法とは

ITパスポート試験とは?


ITパスポート試験(IP)は、情報処理技術者試験の一区分の1つで、エントリー資格に位置づけられる国家試験です。スキル(難易度)レベルは、情報処理技術者試験(レベル1〜4)の中で、レベル1に相当します。以前にあった初級システムアドミニストレータより、難易度は簡単になっています。

ちなみに、レベル2は、基本情報技術者試験(FE)、情報セキュリティマネジメント試験(SG)が該当します。レベル3は、応用情報技術者試験(AP)が該当します。

ITパスポート試験は、情報処理技術者を目指す資格というよりは、ITを利用したり活用したりする人向けの資格です。
 

ITパスポート試験は、役に立たないのか?高校生、大学生には?


ITパスポート試験は、役に立たない資格だと言う人もいます。IT系の専門学校、資格学校は、生徒欲しさに役立つことをアピールしていますが、ITエンジニアが働く職場では、それほど重宝されていないようです。それは、難易度も低く、IT技術者向けの資格ではなく、ITを利用する人向けの資格だからでしょう。気にすることはありません。ITエンジニアを目指したい人の登竜門としてITパスポートを取得し、次に基本情報技術者試験を目指すなど、ステップを進めていけばいいのです。

どんな資格でも、資格があるだけで重宝されるのは、医師、弁護士、看護師など、一部の国家資格に限られています。社会保険労務士、税理士などの難関な士業でも、独立してからは営業力次第です。資格より、実務経験の方が優遇されるのは当たり前です。

では、資格が全く役立たないかというと、そうではありません。
高校生や大学生には、かなり役立ちます。

1,推薦入試を目指す高校生には有利
・高い難易度の大学は除き、中堅以下の大学では、公募制推薦入試で加点(英検2級と同レベル)されることがある
・IT系の学部では、ITパスポートが公募制推薦入試の受験資格になっていることがある
・指定校推薦では、高校の推薦条件に、学業成績に加え、ITパスポートが資格試験取得として評価される場合がある

◎ITパスポート試験は、大学の推薦入試を目指す高校生に絶対有利!

2,大学生の就職活動に有利な場合も
・超大企業は、資格よりも大学の偏差値によるところが大きい
・中堅企業は、努力の成果として加味してくれる場合もある
・中小企業なら、ITパスポート資格取得の頑張りは、評価してもらえることも

3,会社入社後で受験を勧められることも
・会計ソフトを扱う企業では、資格取得を勧められることもある
・自己啓発の一環として、資格取得が必要なこともある

4,ITエンジニアになりたい
・まず、ITパスポートを取得する
(ITエンジニア系の職業訓練校に行く人もいる)
・次に、基本情報技術者試験を取得する
・転職活動を始める
 (20代であれば、やる気を重視してくれるケースも多い)
・応用情報技術者試験を持っておいた方がいい

※私の経験上、ある程度の年齢を超えてから、ITエンジニアへの転職はきついかもしれません
 時代の変化が激しく、体力が必要な仕事なので、若い方が有利です
※なるべく、上流工程の仕事を目指してください
 零細企業の下請けの下請けプログラマーや客先常駐(派遣)では苦しいです
※偏差値の高い情報系の理系大学に進み、大手企業でシステムエンジニア(SE)を目指すのがベスト

 

ITパスポート試験の試験概要


ITパスポート試験では、「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つの分野に分かれています。

<ストラテジ系>
経営全般に関する分野。企業活動と法務、経営戦略、システム戦略など。35問程度。

<マネジメント系>
IT管理に関する分野。開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなど。20問程度。

<テクノロジ系>
IT技術に関する分野。基礎理論(アルゴリズムやプログラミング)、コンピュータシステム(コンピュータやシステムの構成要素など)、技術要素(情報デザイン、情報メディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ)など。45問程度。

※2022年4月より、シラバスVer6.0へ。

◎初めて受験する人へ】ITパスポート試験の試験概略とは?

<受験者・合格率>
2021年度(令和3年度)
応募者数244,254人、受験者211,145人、合格者111,241人、合格率52.7%

2020年度(令和2年度)
応募者数146,971人、受験者131,788人、合格者77,512人、合格率58.8%

2019年度(令和元年度)
応募者数117,923人、受験者103,812人、合格者56,323人、合格率54.3%

<試験の詳細>
試験時間 :120分
出題数:100問
出題形式:四肢択一式
出題分野:
ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度
テクノロジ系(IT技術):45問程度
合格基準は、総合評価点1,000点中600点以上で、分野別評価点も各300点以上
試験方式 :CBT方式(コンピュータ試験問題)
試験時期:すべての都道府県で毎月実施

 

ITパスポート試験の勉強方法


ITパスポート試験は、受験者数がトップレベルの資格のため、勉強ツールはたくさん揃っています。ITパスポートについて対策方法が書いてあるWebサイトはたくさんあります。YouTubeでも、非常に役立つ動画が、たくさんアップされています。

1)ITパスポートのWebサイトで勉強(無料)
2)YouTube動画で勉強(無料)
3)市販の書籍で勉強(1500~2000円)
4)kindleの電子書籍(Kindle Unlimited会員0円)
5)eラーニング講座で勉強(数千円~)
6)通信講座で勉強(数万円~)
7)資格学校で勉強(数万円~)

私が勉強するとしたら、市販のテキスト1冊とYouTubeで勉強すると思います。動画は、電車に乗りながら、歩きながらでも聞き流しができるので、非常に便利です。疑問点は、ネットで調べるかな。

ITの知識がない人は、無料で安く済ませるより、有料の講座に申し込んだ方が早いかもしれません。

【おススメ書籍】
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ITパスポート試験の難易度


情報処理技術者試験(レベル1〜4)の中で、レベル1に相当し、合格率も50%前後(最近は55%前後)で推移しています。パソコンに慣れ親しんだ社会人にとっては、そんなに難しい資格ではありませんが、高校生にとっては、それなりに難しい資格となるでしょう。大学生も少し努力が必要です。

問題は、非常に基本的なことが問われますので、詳しく深掘りする必要はありません。ただ、範囲が広いので、すべての用語を理解するまでに、時間がかかります。私がeラーニング講座の講師をしている「家電製品アドバイザー試験」は、かなり深いところまで追求されますが、ITパスポートは、表面的な知識を覚えるだけで、問題が解けるようになります。

IT知識のない人が合格を目指す場合、180時間ほど勉強時間が必要です。1日2時間の勉強で3カ月程度です。情報系学部の大学生や、IT系に関連した仕事をしている社会人は、100~150時間ほどの勉強で合格に近づけるようです。

ちなみに、他の資格では
司法書士 2,000時間ほど
中小企業診断士 1,000時間ほど
行政書士 1,000時間ほど
FP2級 200~250時間ほど
簿記2級 100時間ほど

必要だと言われています。