像面位相差オートフォーカスなど 家電アドバイザー合格講座

像面位相差オートフォーカスなど 家電アドバイザー合格講座


デジタルカメラには、いろいろなオートフォーカス(AF)方式があります。

コンパクトデジタルカメラのオートフォーカスは、レンズが動いてピント合わせが遅かったですよね(あまり使っている人がいないから、過去形で)。これが、「コントラストオートフォーカス(AF)」です。一部、ミラーレスで採用している機種もあります。被写体像はピントが合うとコントラストが高くなるという性質を利用しています。フォーカスポイントを必要としませんが、ピント合わせまで時間がかかります。

デジタル一眼レフカメラのピント合わせは、超高速ですが、基本、ファインダーを覗かないといけませんし、カメラのサイズは大きいです。イメージセンサーに加え、測距用のセンサーを必要とするため、カメラ本体の小型化が難しいのです。
ファインダーを覗いたときの測距点(フォーカスポイント)の数によって、ピント合わせのやりやすさが変わります。古いデジタル一眼レフカメラなどでは、測距点(フォーカスポイント)が9点しかなくピント合わせに苦労しました。今では、測距点(フォーカスポイント)が50点以上に増え、だいぶ楽になりましたね。高級デジタル一眼レフカメラでは、測距点(フォーカスポイント)が100点以上あります。これが、「位相差オートフォーカス(AF)」です。

カメラで時代を大きく変えたのは、ミラーレス一眼レフカメラとスマートフォンです。ミラーレスは、小型にして性能を良くするために、カメラの最新技術がかなり投入されました。スマートフォンでの写真撮影が当たり前となった今、スマホに採用されている技術は、見逃せません。そこで、採用されたオートフォーカスが、「像面位相差オートフォーカス(AF)」です。撮像素子(イメージセンサー)に位相差AFセンサーの機能を組み込んでいるため、測距用のセンサーがいらず、小型化が可能です。

ミラーレス一眼は、当初はファインダーがなく、液晶画面を見ながらピント合わせをしていました。そもそもミラーがありませんから。今は、電子式のファインダー(EVF)を搭載している機種と、搭載していない機種の2つがありあます。ミラーレス一眼は、液晶画面を見ながら撮影することも多いですし、スマートフォンは画面をみながら撮影をします。「像面位相差オートフォーカス(AF)」は、今までのコンパクトデジタルカメラと、デジタル一眼レフカメラのいいとこ取りのオートフォーカスなのです。

新しいスマートフォンには、「レーザーオートフォーカス」を採用しており、暗所でもオートフォーカス性能が落ちないようにしています。

最新の高級ミラーレス一眼には、像面位相差AFと高精度なコントラストAFを搭載した、「ハイブリッドオートフォーカス(AF)」を搭載した製品が発売されています。

あっという間に、進化していく分野ですね。

<用語集です>
コントラストオートフォーカス(コントラストAF):
画像データをコンピュータが解析して、最もピントが合っている箇所を、レンズを動かしながら探す方式。イメージセンサーが測距用のAFセンサーを兼ねており、カメラ本体の小型化に向いている。コンパクトカメラやミラーレス一眼などに採用されている。ピントが合うまでに時間がかかるが、フォーカスポイントを必要とせず、画面上の任意の場所でピントを合わすことができる。

位相差オートフォーカス(位相差AF):
レンズを通った画像のズレ幅を計算する方式。素早く、しかも正確にピントを合わすことができる。イメージセンサーに加え、測距用のセンサーを必要とするため、カメラ本体の小型化が難しい。デジタル一眼などに採用されている。測距点(フォーカスポイント)でピントを合わせる。

像面位相差オートフォーカス(撮影面位相差AF):
一部のミラーレスカメラやスマートフォンなどで使用されている方式。位相差AFセンサーではなく、像面で位相差AFを行う。撮像素子に、位相差オートフォーカスセンサーが組み込まれている。位相差検出方式とコントラスト検出方式を持ち合わせたAF方式。

ハイブリッドオートフォーカス:
「コントラストオートフォーカス」と「像面位相差オートフォーカス」を組み合わせたもの。高級ミラーレス一眼で採用。

レーザーオートフォーカス:
撮影したい物体に、レーザー光線を当て、その反射の状況を検知して対象までの距離を測り、写真のピントを合わせる方式。暗い場所でも、ピント合わせの精度が低下しない。新しいスマートフォンに採用されている。

IoTやIoT家電に関する講演など

IoTの仕組み、IoT家電(見守り家電など)、時短家電(ロボット掃除機など)に関する講演を行っております。ぜひ、ご用命ください。